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2018年04月13日

安部公房の小説おすすめ人気ランキングTOP3・種類と選び方

戦後の前衛文学の旗手と言われる安部公房の書く世界はどこか理系の匂いを感じます。そのせいか、SF小説と分類されますが、その枠組みに収まりきらない文学性、芸術性を感じます。今回は安部公房のおすすめ小説について紹介しましょう。

安部公房の小説おすすめ人気ランキングTOP3・種類と選び方

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安部公房の小説の選び方

安部公房を形容するときによく使われる文章があります。それは「前衛文学の旗手」です。よって、人によっては安部公房の小説は難解だと感じるでしょう。文学を含め芸術で前衛というと、既成の概念や形式に囚われずに、表現を行うことを指します。よって既存の価値観に慣れ親しんだ受け手(読み手)にとっては、理解できない時があります。

また、安部公房の作品には科学的な要素が含まれています。物理学者が「重さ」という当たり前のことに疑問を持つように、そのような当たり前のことを疑問を持つように仕向ける要素が作品にあります。小説の舞台もリアリティがなく、シュールなパラレルワールドの世界観があります。

よって、既存の価値観や思い込みを手放せない人にとっては、安部公房作品が理解不能に感じます。そんな人でもおすすめの安部公房小説の選び方を教えます。

安部公房の小説の選び方

科学的要素が含まれている安部公房作品は、SF小説が好きな人にはすんなりと受け入れることができるでしょう。しかし、あまり文学作品に馴染みがない人や、理系とは言い難い人にとってはかなり難解に感じるでしょう。

よって、今回は各個人に向けのおすすめ安部公房の小説の選び方を紹介します。このおすすめの選び方を参考にしてくださると嬉しいです。

短編から読む

この選び方は人によっては外れてしまうのですが、長編や中編となると集中していないと話の筋がわからなくなってしまう傾向があります。安部公房の作品にはSFと分類されることもあるように、科学的要素が強いです。さらに、文章が美しいとは言えません。

そのため安部公房の作品に芸術性を感じられない人も多いでしょう。しかし、文章の構成は繊細で、それを駆使して超現実世界、シュールな世界観を表現しています。よって、その世界観に馴染むために短編小説をおすすめします。

好きなアーティストのおすすめから読む

安部公房は多くのアーティストに影響を与えています。もしくは、安部公房の作品が好きだと公言する人も多いです。好きなアーティストがおすすめする作品ならば、興味が沸くでしょう。

安部公房が好きだと公言しているのは、「テルマエ・ロマエ」のヤマザキマリさんや、サカナクションのヴォーカルの山口一郎さんなどがいます。ヤマザキマリさんは自身の作品である、「ジャコモ・フォスカリ」に安部公房をモデルにしたと思われる登場人物が出てきます。

安部公房の小説おすすめ人気ランキングTOP3

ここでは数多くの安部公房作品の中からおすすめ人気ランキングのTOP3を紹介します。どれも安部公房作品には有名な作品となっており、ここでおすすめする人気作品は、書評や解説も多くいです。なので、よくわからないまま読み終わったとしても、それらを読むことによって理解を深め面白さに気が付くでしょう。

ランキング3位:「棒」

安部公房全作品 5
安部公房全作品 5
口コミ

この作品を読むと(「飢餓同盟」と同様)安部が日本の近代化を巡る思想問題を皮膚で感じ取って肉で考え抜いていることが分かる。

「棒」とは安部公房の作品の一つで、短編作品です。短編作品なので初心者におすすめかといったらそうでもありません。知らない人に向けてあらすじを書こうと試みましたが、筋をまとめるのも困難な作品が今回おすすめする「棒」です。

この作品はいきなり主人公の「私」がデパートの屋上から墜落し、落ちていく課程で一本の棒になり、何が原因で主人公は棒になってしまうのか全くわかりません。そして、棒になってしまうと主人公は何もできなくなります。そして、とある研究者とその学生に拾われ研究対象になります。

さて、この「棒」と言う作品はどう解釈すればいいのでしょうか、多くの意見を鑑みると、棒とはでくの棒のことであり、社会から必要じゃない人、無用な人を形容しているのではないかと言われています。どう解釈するかは各個人に任せるとして一読することをおすすめしたい作品です。

ランキング2位:「鞄」

笑う月
笑う月
口コミ

夢をモチーフとしたエッセイ集であると同時に、幾つかは物語としての魅力も有した作品が収録されている。

おすすめランキングTOP3 の中で一番共感できるのがこの「鞄」です。この小説は事務所を経営する「私」が新聞に求人広告を出したところ、その半年後にとある青年が応募してきました。半年もたってからの応募だったので、「私」はあきれます。そして、応募動機を青年に尋ねると、一種の消去法だと彼は言います。

その消去法について具体的に尋ねると、青年は足元に置いてある大きな鞄を指さします。この鞄の重さによって行き先を決めると言います。彼曰く、急勾配の坂道は重い鞄を持って歩くはしんどく、重い鞄を持って歩くということは歩く道を制限されると言います。

ならば、その鞄を手放せばいいのではと「私」が提案しますが、青年は「いつだってやめれるからこそやめられない」と言います。結局のところ鞄によって行く先を決めてもらっているということになるのでしょう。この作品は初心者におすすめの安部公房作品です。

ランキング1位:「壁」

壁
口コミ

人間の実存性の危うさと人間を他から仕切るものの代表を「壁」に象徴させて描いた作品。

最もよく読まれている安部公房作品と言えば「壁」でしょう。手に入れやすい上に、3部構成の6篇の短編が収められています。読みやすい分量となっているので、初心者にはおすすめの作品です。

困難にぶつかることを「壁にぶつかる」と形容されますが、その壁をテーマにした作品が表題作の「壁」です。壁にぶつかることはなぜか不条理だと感じるもの。その不条理感が全面的に出た、安部公房の初期作品です。作風は寓話的な仕上がりとなっており、当初はカフカに影響されたのではないか、とも言われていました。

しかし、安部公房曰く、不思議の国のアリスで有名なルイス・キャロルの影響が強いと語っています。よって、壁は小難しい作品ではなく、純粋に面白い、楽しいと読めるおすすめの安部公房作品です。

特徴別おすすめの安部公房の小説

安部公房は物書きでしたが、その活動は幅広く小説はもちろんのこと、随筆や戯曲・脚本にまで及びます。また、ワープロで執筆を開始した日本人作家でもあり、NECから発売された「文豪」は安部公房が参画したことで有名です。

また、ピンク・フロイドの大ファンでシンセサイザーユーザーでした。当時の日本でシンセサイザーを所持していたのは数えるほどでした。この独特の感性によって、様々な実験的な作品が生み出され、安部公房は日本文学界のパイオニアとして評価されました。

おすすめ安部公房作品:短編

安部公房作品はまずは短編から読むことをおすすめしたのは先述したとおりです。安部公房の作品には短編集も発売されており、文庫本化もされています。ここでは、それも踏まえておすすめの安部公房の短編作品を紹介します。

R62号の発明・鉛の卵

R62号の発明・鉛の卵
R62号の発明・鉛の卵
口コミ

自殺志願の機械技師が自分の命を秘密組織に売って「R62号」と呼ばれるロボットに改造される様を戯画的に描いた佳作。

今回紹介するのは12編の短編が収められている短編集です。表題作の一つである「R62号の発明」は、会社を解雇された機械技師は自殺しようとしていました。その時、とあるアルバイト学生から死ぬのなら体をくださいといわれ、脳を手術されロボットR62号となりました。

ロボットR62号はかつて解雇された会社に派遣されることになり、「人間合理化の機械」を発明し人間に復讐を考えます。ロボットによって働かされ、ロボットに仕事を奪われる様は、今後の訪れる漠然としたAI社会を風刺しているのではないでしょうか。技術が発達すると人間は無意味になるということを、安部公房は気づいていたのでしょうか。

またこの短編集には「K」という名前と言えない、記号のを持つ登場人物が頻繁に出てきます。読みやすい作品から、よく分からないと感じる作品まで幅広く収録されたいるおすすめ短編集です。

おすすめ安部公房作品:映画化作品

安部公房は執筆活動だけではなく、演劇集団「安部公房スタジオ」を自ら主宰となって発足し、本格的に演劇活動を行いました。舞台の戯曲だけではなく、テレビやラジオ、そして映画の脚本を手掛けています。よって、安部公房の映画化作品の中には、安部公房本人が脚本を担当している映画があります。

特に、映画監督の勅使河原宏が携わった映画作品は必見と言われています。今回は厳選おすすめ安部公房映画を紹介します。

砂の女

砂の女
砂の女

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口コミ

もともとの原作が面白く、原作に忠実であったと感じた。何と言っても岸田今日子がハマリ役であった。

安部公房の代表的作品である「砂の女」。当然、近代日本文学の傑作の一つでもありますが、国際的な評価も高い作品です。あらすじは昆虫採集に浜辺の砂丘にやってきた男が、女が住む砂穴の家から出られなくなり、最終的には男は砂の世界に順応し、抵抗しなくなっていきます。その過程は、奴隷は逃げ出すことさえ考えないという言葉を思い起こさせます。

映画には男役に岡田英次。女役には岸田今日子で、第37回アカデミー賞で外国語映画賞にノミネートされ、第38回では映画賞にノミネートされています。第17回カンヌ国際映画祭では審査員特別賞を受賞しています。

原作者が脚本を手掛けているので、必然的に原作に忠実な仕上がりになっているため、文章で読んだけれども、あまり理解できなかった人にはおすすめです。

他人の顔

化学工場の事故により顔に火傷を負った主人公は、妻や職場関係がぎこちないものになってしまいました。段々と周囲の目を気にするようになり、精巧な仮面を作り新しい顔を手に入れ、親しい人間に対して他人として振舞います。

「顔」を通して顔と社会、他人との関係性、自我と言ったことを描いています。映画では主演は仲代達也が演じ、端役に田中邦衛や前田美波里が出演しています。勅使河原宏のDVDコレクションとして所収されており、レンタルは厳しいと言われています。しかし、度々映画館で上映されることもあるので、チェックすることをおすすめします。

「砂の女」、「他人の顔」、「燃えつきた地図」を安部公房は「失踪三部作」としており、三作品はすべて安部公房が脚本を手掛け映画化されています。どれもおすすめの映画作品です。

おすすめ安部公房作品:教科書掲載作品

安部公房作品は現代文学として評価が高く、現代では国語の教科書に採用されています。先におすすめとして紹介した「鞄」や「棒」も高校生の現代文の教科書に採用されているとのことでした。

それら以外の作品も掲載されています。教科書に掲載されているぐらいですから、短編作品となっており、当然解説もありますので、初心者にはおすすめしたい作品です。

赤い繭

「壁」に収録されている赤い繭。帰る家がない男が、すべての人に休む家があるのだから、自分の家もあるといって探しますが見つかりません。仕方なく、公園で休むのですが、公園はみんなのものだから追い出され、家が欲しいと求めた末、繭が足元から出てきて繭になります。

そうなると、家に帰るはずだった、自分がなくなってしまうという皮肉におちいってしまいます。話のオチは、読んでみることをおすすめします。『赤い繭』には寓話的な要素を感じるので、教科書に採用されるのも納得です。

おすすめ安部公房作品:名言を残した作品

科学的な分析が特徴的な安部公房作品は、どこか無味乾燥な印象を受けますが、心を揺さぶる名言を残した作品がいくつもあります。今回は安部公房のおすすめ名言作品を紹介します。

砂漠の思想

砂漠の思想
砂漠の思想
口コミ

安部公房の神髄ここにあり。という本ですね。着眼点、洞察力が30年40年まえに書かれたものとは思えない。

この作品は安部公房のエッセイ作品で、内容は映画論やマリリン・モンローからパブロフの条件反射理論に至るまで幅広くテーマを扱っています。タイトルに「砂漠」とあり、砂の女と言うこともあって、砂が何かしらの副題とありそうですが、特に意味はないと思われます。

初期の思考をエッセイと言う形で発表しており、多彩で多様な思考を除くことができる作品となっています。下記の言葉はこのエッセイ集に書かれいた言葉です。思考を表現したエッセイだからこそ、この言葉には実用性が感じられます。
「道にこだわりすぎるものは、かえって道を見失う。」

おすすめ安部公房作品:芥川賞受賞作品

国内外で評価が高い安部公房。芥川賞を受賞しています。受賞作品は先のおすすめランキングでも紹介した短編オムニバス本の「壁」に収録されている表題作の「壁 S・カルマ氏の犯罪」です。内容はおすすめランキングと重複するのでここでは控えますが、受賞に当たっての評価はいいものがあれば悪いものもありました。

私小説風の作風が特徴的だといわれる選考委員の宇野浩二は、「不可解な小説であり、写実的なところ全くなく、ばかげている」と手厳しい評価でした。しかし、その一方で、川端康成や瀧井考作らの強い推挙のおかげで安部公房は芥川賞を受賞しました。

安部公房の小説の楽しみ方

安部公房の小説の楽しみ方として、まずは読んでみましょう。そして、読み切ってみるということをまずはおすすめします。楽しみ方は人それぞれですが、読んでみないと小説の良さはわかりません。一部だけ読んで解釈ということは、小説ではあり得ないことです。そして、自分なりに安部公房の作品を理解することをおすすめします。

その後、自分の理解と専門家の解釈を照らし合わせ、共感しているところを探ったり、自分が気が付かなかった解釈を知ったりする楽しみ方をおすすめします。また、どうしても、読み切ることができなかった場合は時間をおいて、再チャレンジすることをおすすめします。

とりあえず、まずは読んでみることが大切です。おすすめからぜひ、安部公房の小説を楽しんでみてください。

安部公房は今読むべき作家

安部公房は東大医学部出身のため科学的な要素が多くSF小説的です。そして、難解でシュールです。理解するのが大変で、読み手が苦労する作品が特徴的です。しかし、安部公房の世界が今実現しようとしています。

安部公房の作品の中には人口知能を備えたロボットがしばしば登場します。これが、現在のAIのコンセプトによく似ています。彼の未来を予見できるセンスのすばらしさに驚かされます。今後の未来を生きるたにも、安部公房作品を一読することをおすすめします。

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